西欧の価値観だと才能は”gift"であり、神が与え給ったものである。その贈り物を受けた人はその才能を使い社会に還元する義務がある。
金持ちは貧しいものに還元することが美徳とされているのはそのためです。
だから西欧ではチャリティが盛んなのです。
1985年Live Aidを渋谷陽一氏は非難していましたけれど、それは文化の違いです。「こんな悲惨な現状がある人たちがある」と騒いで、世間に訴えかける。皆に知ってもらう事が重要だと思いますけれど、いかがでしょうか?
ちなみに年齢的にはロニーはイアン・ギランやオジー・オズボーンよりもうえです。
神に命じられたかどうかは別として、この人の歌は本当に上手い。しかもそれまで、他のロックシンガーになかった上手さです。はじめて真面目に聞いたときにはホントに驚いた。あのコブシを回す演歌的な歌いかたは当時としてはユニークであった。さらに音程を外さない。見事としか表現できません。
The Beatles時代、特に初期のPaul McCartneyの歌いかたはLittle Richardそっくりだし、MicK JaggerはMuddy Watersそのものだった。さらにRod StewartのSam Cookeに対する愛情はいまだにファンそのもの。そんな感じ。
それに対して、Ronnie James Dioは全くの違う畑からで学んでいます。それはなんとオペラだそうです。幼少の頃からオペラのレコードを聴いて育ったそうです。
オペラに対して門外漢の私としては新鮮に映るわけです。西洋クラシック音楽趣味のRitchie Blackmoreが彼を欲しくってELF*1に接触して、ソロシングルを録音。それが発展してRainbowを結成してのは有名な話。
Ronnieのどこまでも伸びる中音域、演劇的な盛り上げ方はヘヴィメタルの様式美そのものであり、彼の歌い方が手本の一つとされていた。
しかも彼の作る歌詞のイメージは暗黒の中世、呪術、魔術をイメージしているものであり、まさにヘヴィメタルのイメージ。Rainbowが過渡期のときにラブソングを作るように言われるが、それを彼は拒否。脱退の原因になったと言われるが、真実は如何に?
雇われから、事業主に出世したRonnie James Dio。
シングルヒットしたスピーディな”We Rock"をはじめとして、ドラマティックに仕上げたタイトルチューン”The Last in Line”、そしてお得意な中世的、中東的なサウンドを誇る”Egypt”まで一気に聞かせる。やはり80年代ということもあり、極端に長い楽曲がないけれども、どちらかというとRainbowの”Long Live Rock'n'Roll”のような印象を受ける。
的確でありながら、手数の多いドラミング、ギターもさまざまな表情を見せるけれども、Ritchie Blackmoreスタイルのプレイは安定している。
とはいえ、一番の注目はRonnieのボーカル。この人はこの手の歌を歌わせたら本当にうまい。このメロディアスに劇的に盛り上げる唱法はさすがです。やはりサウンドプロダクトもボーカルが主役になるように仕上げています。
結果として、これぞ、ヘヴィメタルというイメージのアルバムに仕上がっています。あのジャケットの怪獣もまさしく様式美。
残念なのは時代を経過して少し古臭さを感じることかな😅
とはいえ、ロックファンならジャンルを超えて一回は聞いてみたい作品です。
”The Last in Line” 1984年発表 UK4位
収録曲
-
We Rock
-
The Last in Line
-
Breathless
-
I Speed At Night
-
One Night in The City
-
Evil Eyes
-
Mystery
-
Eat Your Heart Out
-
Egypt(The Chains Are On)
参加メンバー
-
Ronnie Jams Dio Vocal
-
Vivian Campbell Guitar
-
Jimmy Bain Bass Vocal
-
Vinny Appice Drums
-
Claude Schnell Keybords
Produced By Ronnie Jams Dio
*1:Ronnie James Dioが在籍していたバンド。Deep Purple の前座を務めたときから彼とのバンド結成を熱望してたそうです