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音楽の話♫Vol.25 『虹を翔ける覇者』”Rainbow Rising" Blackmore's Rainbow

David Coverdale を取り上げたので、今度はDeep Purpleの先輩 Ritchie Blackmore 率いるRainbow を取り上げます。
 

Rainbow ロゴ
 
最初は個人的にはRainbow の作品の中で一番のお気に入りで、ジョー・バイデン大統領に似ているGraham Bonnet が在籍していた "Down To  Earth "を取り上げようかと思ったけれど、評価が分かれているし、資料も多いのでパスします😅 
 
”Down To  Earth"はうるさ型のファンにしてみれば、踏み絵的な作品。人間関係がかなり複雑なり、時代の変化にも翻弄されています。余談だけれど、Ronnie Jeams Dio 脱退後、ボーカルとして最初に声をかけたのはIvan Gillanだけれど、断られたこと、知っていますか?
 
”Down To  Earth"の評価も分かれていますけれど、『虹を翔ける覇者』も今となってはなかなか困難な作品。ハードロックとしてクオリティは高いかもしれないけれど、時代とは乖離しはじめている。次作の”Long Live Rock'n'Roll" の方が時代にマッチしていますけれど、バンドの最初の崩壊を招いてしまいます。
 
かつてのキターキッズに言わせてもらえば、 Rainbow の作品としては本来の Ritchie Blackmore の姿を見せる最初で、最後の作品であり、もっとも保守的で創造性には欠ける作品。しかしそれでも作品の出来上がりが双方を凌駕している。その観点からすれば、ものすごく評価の難しい作品。なので、ギターキッズの視線で行きます。
 
ギャオーーー!!ぎゃああ〜あ!
 
『虹を翔ける覇者』は1976年発表。最高位はイギリスで11位。チャートアクションはそんな程度だったのか。
 
Rainbowのファーストアルバムというか、実質的なソロアルバム『銀嶺の覇者』は今改めて、聞いてみると、 Deep Purple 時代を引き継ぐ"Man on the Silver Mountain"をオープニングに、”Black Sheep Of The Family"や”Still I'm Sad"*1といったカバー曲や、ステージで重要なレパートリーとなる”Catch The Rainbow”など収録曲は多彩だけれど少し地味な印象。
 
 Ritchie Blackmore はより強力なライブバンドにするため、早速メンバーチェンジを実行する。もともと欲しかったRonnie Jeams Dioを残して全員解雇し、新バンド結成に動き出します。後に『首切り魔』と言われる、 Ritchie Blackmore の片鱗を見せます。
 
 今回のメンバーチェンジの目玉は、ドラムに元Jeff Beck Groupの Cozy Powell 。後々『三頭政治』と言われる体制が完成。メタル御用達のトゲトゲのついたリストバンド、ツインバスドラムを武器にドカドカとバンド全体を牽引する。そしてRonnieのボーカルが絡む。彼のスタイルはコブシをきかした歌い方で、当時としては異色だったかもしれない。しかし現在では「メタルを歌うために生まれた男」、「神にメタルを歌うことを命じられた男」(本当なかいな)と称される。オペラの唱法に影響を受けたそうです。なんか納得。ここにソロリストとしてRitchieのギターが絡みます。Rainbowの作品としては今回がギターが一番フューチャーされています。
 

Rainbow  1976
 
”Tarot Woman”の中東音楽みたいな旋律のシンセからギター、リズム、ボーカルがたたみかける。ハードロックのお手本のような作品で幕を開けます。
Ronnieのボーカルが冴えている。今回アナログ盤でA面に当たる4曲の主役はやはりボーカルです。初期Rainbowではギター壊し、アンコールに使っていた”Do You Close Eyes”も冴えてます。
 
アナログ時代のB面にあたる、”Stargazer”と”A Light in the Black ”はアルバムのハイライトであり、当時のRainbowを代表する作品、しかし、この二曲 がのちのち問題になり、バンドを崩壊に向かわせます。個人的に”A Light in the Black ”はお気に入りの一曲。
 
Stargazer”はドラムソロから引きずるような重たいギターリフ、ねっちりとRonnieが歌います。曲の最後にはオーケストラをフューチャー。Ritchie Blackmoreお気に入りのクラッシック音楽的な旋律、メロディ。感心の出来。歌詞もLP発売時は中面に掲載するなど、最初から代表曲になるよう作り出されました。一転して”A Light in the Black ”はスピーディな作品。ギターソロ、キーボードソロをフューチャー。これまでおとなしかったベースラインが活き活きしている。
 
問題はここから。この二曲の出来に納得、満足したCozy Powell、Ronnie Jeams Dioは理想として、この二曲に拘ってしまう。しかし。こんな10分近い作品がラジオではかけてもらえない。しかも”Stargazer”に対してRitchie Blackmoreは「ライブで演奏するのは退屈」とまで言ってしまう。
70年代前半、比較的長い曲を演奏することが、ミュージシャンの腕の見せ所だった時代から、70年代後半のパンクムーブメント、FMサイズの5分までの曲が魅力となる時代がすぐそこまできていた。60年代から活躍するミュージシャンはシングルの時代を一度は経験しているからよかったけれど、Ritchie Blackmoreなどはここから、シングル、MTVとの戦いがはじまる。それはバンドメンバー同士の確執と変わっていく。
 
収録曲
  1. Tarot Woman                         
  2. Run with the Wolf                
  3. Starstruck                               
  4. Do You Close Your Eyes      
  5. Stargazer                     
  6. A Light in the Black        
 
Rainbow
  • Ronnie James Dio – vocals
  • Ritchie Blackmore – guitar
  • Tony Carey – keyboards
  • Jimmy Bain – bass
  • Cozy Powell – drums
with
  • Munich Philharmonic Orchestra – strings, horn
  • Fritz Sonnleitner – concert master
  • Rainer Pietsch – conductor
Production
  • Produced and mixed by Martin Birch
  • Recorded at Musicland Studios, Munich, Germany, February 1976
 
最近、Music Air Network で新生Rainbow のライブを偶然みました。drummerは後期メンバーのChuck Buggy 。あとは知らない若手ばかり。まるまると太ったRitchie Blackmoreの姿は少しショックだった。
 

最近のライブより

肝心のRitchie Blackmoreのギターは”Blackmore's Night"でアコギを演奏して、荒っぽいプレイからメンテナンスされたのか健在というより、少し上手くなった感じ。
しかし太ったRitchieは少し許せなかった。
そのことを妻にはなしたら、一言。「いいじゃない。デブになっても、頭禿げても。死んじゃったらもう新作もライブもみれないんだよ」
 

*1:余談ですけれどStill I'm SadはThe Yardbirdsの曲です。ここではインストで、原曲がわからないくらいのアレンジがされています