以前、The Yardbirdsを長々取り上げました。
そうなるとJeff Beckを取り上げないとダメでしょう(笑)
そして今回紹介する”Truth"はCreamの”Wheel of Fire"と並んでと並んでハードロック創成期の名盤とされています。
うまいギタリストはたくさんいます。
John McLaughlin*1や Larry Eugene Carltonもすごいと思います。
もちろんEric Clapton、Jimi Hendrixはマストです。ですけれども私にとってみれば、やはりJeff Beckです。
どうしてもThe Yardbirds時代ではバンドのバランス、力関係もあったが、ここでは枷を外し、まさに本領発揮。自在にギターを操っている。
M−1の”Shapes of Things”からベックは飛ばしている。「俺はこの曲をこんな風に演奏したかった」という意気込みを感じる。あのポップな曲が本当にヘヴィに仕上げている。また、少し軽いKeith Relfのよりもずっしりと思いRodのボーカル。まるでボディブローを喰らったかのような充実感がある。
プレイヤーにもスポットライトが当たる時代になるのであるけれどもやはりJeff Beckはその先駆けである。
プレイの幅が確実にひろがっている。当時こんなにフリーフォームで弾けるギタリストはJimi Hendrixくらいだったのではないかな?Eric Claptonのギターもいいけれどもあくまでもブルースに根ざしたもの。Eric Claptonが探求者であるのに対してJeff Beckは表現者だと思っている。
この点が当時のギタリストと一線を画していると思っている。
さらにメンバーもいい。
まずはRod Stewart。ここでは完全にハードロックのシンガー。この時から力量は他のシンガーと比較して群を抜いている。ただ声を張り上げているのではなく、ブルースもソウルも歌いこなしている。本来感情を込めて歌うのがうまい人であるけれども、ここではJeff Beckのギターに対抗する歌い方をしている。それがまたバンドに緊張感を与えている。これがたまらなくいい。癖になる!
そしてRonnie Woodsのベースライン。この人のベースは上手い。Bill Wymanの安定したベースラインとは異なる。手数が多くかっこいいリフをビシビシ決めている。この人このままbassistとしてキャリアを進めていても名前を残していたに違いない。
まだこのアルバムを聞いていない人は是非とも聞いてもらいたい。
私の大好きなBritishRock創成期の息吹を感じてもらいたい。
"Truth"1968年発表 全米チャート最高位15位
収録曲
-
Shapes of Things (Chris Dreja, Jim McCarty, Keith Relf and Paul Samwell-Smith)
-
Let Me Love You (Jeffrey Rod [Jeff Beck と Rod Stewartの共作という意の言葉遊び])
-
Morning Dew (Bonnie Dobson and Tim Rose)
-
You Shook Me (Willie Dixon and J. B. Lenoir)
-
Ol' Man River (Jerome Kern and Oscar Hammerstein)
-
Greensleeves (Traditional, arr. Rod Stewart)
-
Rock My Plimsoul (Jeffrey Rod)
-
Beck's Bolero (Maurice Ravel, arr. Jimmy Page)
-
Blues De Luxe (Jeffrey Rod)
-
I Ain't Superstitious (Willie Dixon)
バンドメンバー
-
Jeff Beck guitar vocal bass on Ol' Man River
-
Jimmy Page guitar on Beck's Bolero
-
John Paul Jones bass on Beck's Bolero
Mickie Most producer
Ken Scott engineer
*1:エレクトリック期のMailes DavisやMahavishnu Orchestraでの活動が有名