音楽の話♫Vol.31 Pink Floyd 1987年ツアー
Pink FloydってRichard Wright(1943〜2008)の死後、解散していたんだ。(´⊙ω⊙`)知らなかった。
日本のロックファンは真面目です。語ることやロックファン同士、議論することが好とてもすきです。
娯楽性を意識したEmerson, Lake & Palmerに対して平気に芸術性とかいってしまう。
彼らの代表作『展覧会の絵』は結成当時レパートリーが少なかったので、お客さんに喜んでもらうために演奏したのが始まりだそうです。それを平気で「高尚」とか言ってしまう日本のロックファンは真面目です。とはいえ、私もかつてはそのひとりでした。お恥ずかしい限りです。
ここ何回か、Progressive Rockについて記事をあげましたけれども、その代表格がPink Floyd。その歩みは大まか以下の通り
- Pink Floydは1965年結成。Syd Barrettを中心に結成
- サイケで、アンダーグランドな『夜明けの口笛吹き』で1967年メジャーデビュー
- リーダーのSyd Barrettが精神的に壊れて、お薬に走り脱退
- David Gilmourを加え、Roger Watersを中心に活動再開
- 1973年『狂気』を発表。のちに連続724週もビルボードチャート200位に居座るおばけアルバムを発表
まあ、こんな感じ。
Pink Floydの評価は以下の通り
- 2011年、『ローリング・ストーン』選出「歴史上最も偉大な100組のアーティスト」第51位。
- 2018年、『ウォール・ストリート・ジャーナル』選出「史上最も人気のある100のロックバンド」第4位。
このランキングは興味深いですよ😅
『ローリング・ストーン』のランキングは上位にElvis PresleyやChuck Berry、Jeams Brownなど後世に影響を与えたミュージシャンが上位をしめるのに対して、『ウォール・ストリート・ジャーナル』のランキングは完全にレコード売り上げ、ツアーの売り上げ。ここまでやってくれると気持ちいい。音楽的に何をやったかは無視ですね(笑)
そうそう、双方とも1位はThe Beatlesです。もしも音楽に対する影響力も売り上げも最上位といことです。もし古今東西あらゆる音楽ランキングを作ったら、1位はバッハかベートーヴェン?それともモーツァルトか?
今回取り上げるのはPink Floydの1987年のワールドツアー。賛否両論でした。
Roger Watersが脱退しバンドは一時解散状態。しかしDavid Gilmourは解散に対して反発。なんと裁判沙汰になったけれど、なんとか解決。King Crimsonなどに参加したベースのTony Levin、BB&Aなどでお馴染みCarmine Appice、サックスのTom Scott等大量にお友達を集め、プロデューサーに『The Wall』で一緒に仕事をしたBob Ezrinを起用して、1987年に『鬱 (A Momentary Lapse of Reason)』を発表。これが日本のうるさ型のファンに「Pink FloydがPink Floydのコピーをした」だの、「雰囲気だけ」だの大騒ぎ。尊師Roger Watersは『鬱』並びに新生フロイドを「フロイドの真似事をしただけのニセモノ」と手厳しく非難。
でもアルバムは売れた。めちゃくちゃ売れた。全米、全英ともに3位。三年に及ぶ大ワールドツアーを敢行。これもまた大成功。
このツアーに対して、音楽評論家の渋谷陽一氏は『呼べよ風、吹けよ嵐』でブタのギミックがステージを横切った時、「私の中のPink Floydは終わった」とかものすごくネガティブな発言をしました 。
1988年の来日公演に私はProgressiveRock好きの友人と一緒に行きました。それほどPink Floydに詳しくなかったけれど、当時David Gilmourのギターが好きだったし、ビッグネームだし、見てみたかったので行ってきました。
武道館で”Rock'n'Roll"と騒いでいる外国人の観客に対して彼は「ああいう奴がいるから、Roger Watersが辞めるんだ」とか言っておりました。
さてさて、ステージは私は大満足。舞台装置は派手だし、ギミックもいっぱいあるしDavid Gilmourはギターを弾きまくるし、TomScottもサックスを吹きまくるしヒット曲のオンパレードですごく楽しかった。しかし友人はちょっと・・・
「なんで、Wish You Were Hereを演奏するのか、わからない。今やったらRoger WatersへのLovecallだよ・・・」
でもねこのフレーズは絵葉書の決まり文句なのですけれど・・・💦
ここですよ。日本のロックファンは語るのが好きだし、音楽に意味を求める。しかし特にアメリカのファンはBGMとして楽しむ。ステージではその場の雰囲気を楽しむ。ギミックやSE、効果音を多用するPink FloydはBGMにピッタリ。その差だったのです。やれやれお手柔らかに💦
さてさて、私のPink Floydですけれどまあ、ビッグネームですからひととおり聴いています。『狂気』や『Animals』など結構愛聴盤です。ただのロックアルバムとして聴いています。
でもねリーダーであり、頭脳だったRoger Watersは単純に勘違いしていたのです。「自分の音楽は高尚で、自分の書く詩は文学的である」と。しかしDavid Gilmourはしっかりマーケティングし、自分たちの音楽はBGM。そのような雰囲気の音楽を出せば成功すると思って作ったのがこの『鬱』だったのでしょう。
私は単純にDavid Gilmourのギターが好きです。ライブ映像は楽しいですよ(笑)
- David Gilmour guitar&vocal
- Nick Mason drum&percussion
- Richard Wright keyboard
昔いた人
- Roger Waters bass&vocal
- Syd Barrett guitar&vocal
そうそう、Pink Floydはこれで終わりです。もっと話したい音楽がたくさんあります。