特撮の話 ウルトラマンA第2段 超獣ベロクロンの美しさ
『ウルトラマンA』で取り上げた時にいくつかのポイントで全く触れなかった超獣の話。
ちょっと書き足りなかったので、加筆します。
第一話「輝け!ウルトラ五兄弟」で登場する超獣ベロクロンの勇姿を先ず見ていただきたい。
素晴らしい造詣です。デザインは井口昭彦氏。『帰ってきたウルトラマン』、『マイティジャック』にも参加し、あのメカゴジラのデザインをしてのも氏です。
我が国伝統のゴジラの流れであるものも、背中のビラビラが斬新。しかも、ちゃんと中に人が入れます💦
デザインという仕事
余程の天才ではない限り、「何か新しいデザインをしなさい」と言われたら、意識、無意識的に既存のデザインに引っ張られます。最初の東京オリンピック2020のロゴデザインが「パクリ」だの言われ、そのデザイナーの存在までも否定されてしまった。(あくまでも個人的な感想ですけれども)
あの使い古された市松模様を少し変えただけの無難なもの。あのスタイリッシュでアーバン感のあるデザインから程遠いものになってしまいました。
印刷でデザインを担当した時も、もちろん既存のデザインをベースに考えます。そこをどう発展させるか、足し算するか、引き算するか?勝負ところは引き出しが多いか、どうかですね。
話が逸れた😅
おそらくですが、超獣という発想は製作側、デザイン側から出てきたと思っています。
怪獣デザインにしても印刷デザインと同様。何か既存の生物をモチーフにしないとまずはデザインはできない。しかも人が中に入るのですから尚更です。
仮面ライダーのショッカー怪人も動物単体、蜘蛛男、蝙蝠男などから、二匹の動物の能力を掛け合わせた茶トラマルチーズや、アメショーハムスターとかを解禁したのと同じ理由なのでしょう。
『ガメラ』シリーズのギロンの ように非生物的なデザインをするには、宇宙怪獣という設定は便利だった。しかし毎回宇宙怪獣というのは無理がある。
そこで異次元人ヤプールが生み出した生物兵器が超獣という設定は自由に怪獣デザインできるという素晴らしいアイデアだったのではないか?
超獣という概念。
これが途中でヤプールが全滅、否定してしまったので設定上、無理になってしまう。
更に問題は超獣の強さを際立たせるために、あの怪魚ムルチを劇中で惨殺してしまった。よりによってあのムルチ。これって上原正三氏がやってくれた。。。😅
ヤプールが全滅してのにも関わらず超獣の生き残り、自然発生の超獣がいた(@_@)
これって野良超獣ですか。。。
もっと初期設定を生かして視聴率をテコ入れして欲しかった。
例えば、男女合体変身が評判悪く、北斗ひとりで変身できる様にするのであれば、夕子ちゃんが体力的に変身に耐えられなくなりエースの力が移行するっていかがですか?
何せ、月星人ですよ!謎です!
ヤプールという設定は最後まで残しても何も問題ないと思うのだけれどな?
概念上の悪が子供に理解できなければ、電波ジャックでもなんでもして宣言させればいいと思うのだけれど。。。
それとも夕子ちゃんの退場ありき?仕事は残しませんってことかしら?
繰り返します。『ウルトラマンA』は本当に大いなる失敗作です。残念です!