読書の話📚Vol.6 『日本をダメにした B層の研究』 適菜収著
日本の「幼児化」に警告を鳴らし続ける、適菜収氏は西洋文学、特に、学生時代ニーチェを専攻した若手作家であり、哲学者である。適菜氏の文章は決して堅苦しいものではなく、平易ではあるが、皮肉タップリ。だから私は大好き!
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この本でいうB層とは何か。
まずは、適菜氏のいうA層からD層の定義を紹介しますけど、これは適菜氏の考えた定義ではないことをお伝えします。
断言します。ここでいうB層は昔からいました。
テレビを見ながら「けしからん、抗議してやる」という人いませんでしたか?すると隣にいる人が「恥ずかしいから、辞めて!」という構図は前からありました。
B層はむかしはこんな人だったと思います。
彼らはマスコミの意見を丹念に聞き、チェックします。
”B層は決して、無知な人たちではないのです”と適菜氏はこの本で述べています。
ある程度、教養がないと新聞は読めません。ニュースは見れません(笑)。
マスコミ報道を鵜呑みにするのがB層。わかり易い言葉、刺激的な言葉で、大衆を煽ったのが小泉純一郎や橋下徹。氏は怒りをぶつけていますけれど、決して怒りに任せた怒りではありません。ひとつひとつ丁寧に否定していきます。木村草太先生もそうだけれど、こういう人は敵に回してはいけません!
「自民党はぶっ壊す」とか、「大阪の既得権益を取り戻す」とかかっこいいことをいい「そうだ、そうだ」と喜ぶB層。
良い例が靖国問題!小泉が首相になってから、急に表に出てきたような気がしませんか?知らないだけだったかもしれないけれど、戦争にいった人たちの関係者は行っていたかもしれないけれど、突然政治家が参拝をはじめた。当然、侵略された側はいやがります。それに反対する人間を票田にしたのが、小泉純一郎という人です。そうズバリ、新しい票田をつくるため、ワザワザ仮想敵を作ったと私は思っています。それにまんまと乗せられたのが、B層。「中国がーーー、韓国がーーー」と反応してくれました。
適菜氏はそれらをひとつひとつ、古今東西の哲人の意見を用いて否定していく。
まさに痛快である。
しかし、適菜氏の優れていると私が思っているところは、これで、読者が溜飲を下げて終わりではない。では我々はどうすればいいのか?どうしてそんな怪物を作ってしまったのか提言をします。
「人間は大抵バカですが、それでも知を尊重し、知的であろうと努力することにより人間性を維持してきた」「愚民とデゴマーグを政治から排除すること、真っ当な身体感覚を取り戻すこと、反知性主義を克服すること。これをやらないと国は滅びます」と述べる。最後に「大事なことは「新しく」見えるものを警戒することです」と言ってしめる。
「死者と歩く民主主義」これは保守の基本的な考え方です。
何もA層にのし上がらなくてもいいかもしれない。しかし現在のマスコミに踊らされるのは、もうやめよう。
旧社会党の土井たか子委員長のように「駄目なものは、駄目!」対案は「今は解らない!でもダメ!」そうだ!議論するために国会はある、議論の中からいいものを出せばいい。それは私たちも同じ!もっと意見を交流させよう!
IQが低くてもいいではないか。少しでも知的になろうとしていろいろな分野を勉強する。
そういうものに私はなりたい。
先達はたくさん、知恵を残していますよ!