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特撮の話 仮面ライダークウガ episode47『決意』、48『空我』

毎週、楽しみにしていた『仮面ライダークウガ』の配信もとうとう終わってしまった。
一言で感想を言うと「バランスの取れた素晴らしい作品」です。
 相当、力が入りました。

 

 

クウガ敗れる 衝撃のスタート 

いよいよラストバトルのエピソードになります。
 
細かい説明一切なし。オープニングで土砂降りの雨の中、ダグバに踏みつけられ、ベルトは壊されてしまった。黒の金の力でさえ、通用しなかった。ダグバが如何に強いかだけを強調する。
そしてダグバのセリフ。まるで子供が今持っているおもちゃに物足りないかのような声。「どうしたの?もっと強くなって、もっと僕を笑顔にしてよ」まるで、今までの五代雄介と一条薫の戦いを嘲り笑うかのようなセリフ。衝撃のスタート。
 
クウガは敗れ去った。文字通りの完敗。
「一条さん・・・俺、なります・・・」五代雄介は究極の戦士になることを決意した。
 
ここまでがepisode47『決意』のオープニング。ここまでで一本作れそう。ドラマは収束に向かって切なく、悲劇へと向かっていく。

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決意を秘める五代雄介

下手なCGよりもお金を掛ける

「会社潰す気か?」くらい金をかけた二回。「最終回ですから豪勢に行きましょう」
前が見えないくらいの土砂降りの雨。これって、バイクの前を放水車が走っていく。これってお金かかってますよ。
円谷英二監督も言っていましたけれど、火と水の撮影は難しい。当然一回水を撒いてから、放水車が先行して走り、バイクが後からついてくる。しかもあれだけの雨量。神崎先生のところで、雨の中止まっているバイクのワンカット。めちゃくちゃ金かけてます。
  

激し雨の中、五代雄介はバイクを走らせる 「バラのタトウの女」を追い詰める一条薫

今回のepisodeは本当に切ない。五代雄介は「第0号に勝つ方法を見つけました。今度こそ勝ちます。そのまま冒険の旅に出ようと思います」一人一人、未確認生命体との戦いで知り合い、支えてくれた人たちに別れを告げていく。告げられる方も五代雄介が第0号との最終決戦で差し違えても倒す。その覚悟を察してか、相手も明るく振舞っている。そこがまた悲しい。
 
なんとも切ないセリフの応酬。
 
全体を通して見ると、恐らくepisode18『喪失』、19『霊石』あたりで全体の着地点が見えて来たような気がする。
むしろ、金の力はオモチャの販売強化もあったと思う。しかし「凄まじき戦士 雷の 如く 出て 太陽は 闇に 葬られん」とうまく絡めたのはうまかった。その後、四本角、リントの文字ではない等、着地点と大きいお友達の興味を惹くためのものかもしれない。
着地点が決まると、グッと物語はしまってくる。
 
神崎先生の教室では、子供たちの習字作品「希望」が飾ってあった。自分探しで東京に家出した拓君のものも並んでいた。五代雄介は「希望って感じですね・・・」と答える。
 
みんなの「希望」のため、自分を犠牲にしようとする五代雄介。
 
このドラマでゲストのように登場した人たちを閉じていく。朝ドラのように最終回でパーティをしてみんな集まってくるのも「あり!」だと思うけれど、関わった人たちひとりひとりに挨拶とお別れを伝えていく演出も「あり!」でしょう。ドラマに重みを与えている。
 
また、五代雄介は切ない。あまりにも切ない。しかしそれを感じさせないように振る舞う五代。それがまた切ない。
 
神崎先生同様に、科警研、関東医大病院と訪問する。榎田さん、椿医師彼らも、五代との決意を察して、笑顔で送る。
とはいえ、未確認生命体の笑顔の為に無意味に奪われた被害者の無念を語る。
 
「夢や希望や可能性に満ちていた人たちが奴らに殺されたかと思うと、無性に腹がたつ」
 
椿医師のこの言葉は分かりやすいが、重要なセリフ。
我々の生活レベルでも同じことが言えるのではないか。何も殺すことだけが、殺人ではない。その人の人格を否定して、踏み躙ることも立派な殺人である。いじめ、児童虐待に対してのメッセージだとは深読みし過ぎだろうか。しかし、久しぶりに見てこのセリフにはグッとキタ。
 
このような演出方法は、ドラマとしての『仮面ライダークウガ』のレベル高さを伝えている。しかし何度も言いますけれど、子供番組です。セリフの応酬は必ず一対一で行われる。どうしても伝えるべきでことは言葉で伝える。「あとは流れで理解しなさい」。そういう脚本作り好きです。
 
映像は結構B級ホラーの撮り方もしている。特にグロンギ同志の会話シーン、バラのタトウの女と一条薫との絡みの画像がそのようなイメージ。
 
ダグバの殺戮現場後を訪れる五代雄介。ここで「ちくしょう」なんて下品なセリフを吐かせない。怒りを体に込める演技だけで充分だが、そんな演技ができる人は少なくなりました。
少し画像のトーンを下げる方法はまさしくホラーそのものでした。
 
ポレポレでおやっさんに別れを告げる。父親を亡くしてから、五代兄弟にとっては恩人であろう。しかしそんな演出は一切ない。そこがまた二人の絆を表現しているように思う。
 
「いい顔しているな。よし行って来い」エールを送る。奈々は「なんでこんな時にいくんですか?」、「本当にごめんね。でも俺クウガだから」
ここでようやくおやっさんは五代のもう一つの顔を察する。これまでドラマではつまらないギャグの掛け合いなどが印象に残るけれども、一番五代雄介のことを思っていたのはおやっさんであるに違いない。
先代の仮面ライダーのおやっさんは正体を知っていたし、戦闘的の協力者であった。今回は癒しのギャグメイカーの存在でだが、良き理解者であり、クウガの活躍をスクラップしてとっていることなど、「自分には応援してくれる人がいる」という心の支えだったに違いない。
 
おやっさんとの別れには悲壮感はあまりない。むしろ力強く送り出してくれた。これ以上の勇気を与えてくれる人は居なかったかであろう。演出上ではあるけれど、それにしても、五代雄介はなんて強い男なのであろうか?
 

一条薫、バラのタトウの女との決着

ここまで、何度も苦渋を飲まされてきた一条薫。今回も追い詰めるがまたも一撃を喰らってしまう。
グロンギの慰留品を手にして「これには何て書いてある」激しく追い詰める一条薫。「リントも我々に等しくなった」と謎のセリフ。どういうことであろうか?理由もなく殺人を楽しむような人種がいることなのか?武器を手にして彼らと戦ったからであろうか?
この辺りは大きいお友達は「謎だ」なんだと深読みするのであろうけれども、もっとストレートに受け止めていいと思う。より戦闘的になった人類の事であろう。それとも、リントは狩すらしなかったのか?
 
考えてみよう。我々は狩をして楽しむ人たちがいる。私を含め、ホラー映画を好む人間がいる。私は苦手であるけれどスプラッター映画が好きな人間もいる。これは我々の残虐性なのかもしれない。どこがグロンギと違いのであろうか?彼らは人間を狩ることで楽しんでいるのだ。
 
もっと単純なメッセージなのかもしれない。
 
神経断裂弾を乱射する一条薫。久しぶりにこのシーンを見て、ゾッとした。一条薫も感情で動いているのだ。
土砂降りの雨の中、血だらけになって、海に沈むバラのタトウの女。彼女は何故、簡単に一条薫を殺せたのに、最後まで彼を殺さなかった。彼女は手の中で生殺しを楽しんでいたのか?それとも彼を愛してしまったのか?これこそ「謎」として追求すべきテーマだと思うのであるけれど・・・。
 

「どこまでも、どこまでも青空があるところさ」

妹、みのりにも別れを告げる。わかば幼稚園で子供たちに別れを告げる。「この雨も絶対止むよ!そしたら青空になる」
どこまでも、どこまでも青空のがあるところさ
そこは浄土なのか?神の国なのか?争いのない理想の世界。
「みのり先生がその分頑張るから、笑顔でバイバイしよう」何気ない会話かもしれないけれども、ひょっとして彼女はクウガになる宣言だったのか?
ひとりひとり、あなたの笑顔を守る決心をした時、ひとりひとりクウガになることができる。
 

沢渡桜子との別れ 彼女の立ち位置

最後に訪れたのは、本編のヒロイン、沢渡桜子。しかし劇中、一度もロマンスはなかったように記憶しています。「クウガじゃないでしょ!五代君でしょ」というセリフでも察することができるように、序盤はどちらかというと、恋人というより、弟のように接している。やんちゃな弟に手を焼いているお姉ちゃんという印象を受ける。
最後の別れを告げるために訪問した五代に「聖なる泉を涸れはたせちゃだめだぞ」、「行くんだね」、「がんばってね」その時に一条さんからの無線。
土砂降りの雨の中、桜子さんの言葉は「がんばってね」だけになり、「窓の鍵開けておくから」
最後の最後ではじめて桜子さんが五代雄介に想いを寄せていることが示唆された。
 
すごく、切ない。こんなヒロインいたかな?
土砂降りの中、ビートチェイサー2000のエンジン音だけが虚しく残る。
彼女の「がんばって、絶対、絶対頑張って!」彼女のセリフは虚しく響く。
ここまで見応え充分。一本映画が取れそう。
 

壮絶な最終決戦

いよいよダグバに戦いを挑む、五代雄介と一条薫。
まず二人の顔を見てもらいたい。
実にいい顔をしている。
大人の漢の顔になった。
一年の長丁場の撮影。二人にとって充実した時間であったに違いない。仮面ライダー出身、戦隊シリーズ主演の役者が出世コースを歩むケースは多い。要潤、佐藤健、現在大河ドラマ『青天を衝け』の主演吉沢亮も仮面ライダーシリーズの出身です。きっと、このタイトなスケジュールが彼らを役者として成長させるのでしょう。特にオダギリ・ジョーはこの五代雄介の性格そのままに役者として人気を博ししていきます。
 
文字通り、鍛えられた❗️
 
さてドラマ。
一条はここまで、五代を付き合わせてきたことを詫びる。「君には冒険だけをしてもらいたかった」すごく重い。警察官として一般の市民を危険に晒すどころか、自分の手で処刑しなければならないかもしれない。
いや、五代は一般市民ではない。一条にとって親友、兄弟と呼べるまで大きな存在になってしまった。
だが、もし彼が「究極の闇をもたらす」存在になったら自らの手で葬らないといけない。
一条の苦悩がここにある。そして十字架を背負うかもしれない。
 
それを五代をさらって流す。
「俺、よかったと思ってます!・・・だって一条さんと会えたから」五代雄介は一条薫が背負うかもしれない十字架を背負わないでほしいと伝える。
 
それが残酷な結末であったとしても五代は一条を許すといっている。
 
このシーン久しぶりに見たけれど、何度でも泣けます。
 

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アルティメットフォームに最後の変身
最後の変身。ついにでたアルティメットフォーム。バンダイはホッと胸を撫でおろすけれども、時間がない。営業に力を入れないと在庫の山になります!
 

暴力に対して暴力でしか対抗法はなかったのか? 

「なれたんだね。究極の力を持つものに・・・」
その後はこれまで見たことのない凄惨なシーン。アルティメットマイティキック!なんて技は出さない。
 
ひたすら殴り合う。
原始的にノーガードで殴り合う。
 
こんなラストバトル見たことがない。一発一発の殴り合いで血飛沫が舞う。
ベルトも壊され、人間体になってしまった二人。
ダグバは強い相手と戦えることが楽しくって仕方のないかのように、笑いながら殴り続ける。
五代は最後の最後まで、暴力に対して暴力でしか対抗できなかった五代雄介の無念を示すかのように、泣きながら殴り合う。
 
二人の心情を比較するのに、最も単純で、明確な手法を用いて来た。と、大きなお友達でもしっかり考えてみないとわからない。小さいお友達は絶対にわからないはず!
 
一条薫は「五代!」と叫びながら、雪山を登る。
 
そのあいだBGMは一切なし。こんな演出ありですか?
 
『仮面ライダークウガ』は子供番組です。最後は希望や救いがないといけません。また、これまではきちんとセリフで説明してきました。それをこのシーンに関しては一切なし。
このまま終わっては希望も救いもありません。
さらに、セリフなしですか?それにしても最終話でとうとうその縛りを自分で荒川稔久さんは解いてしまった。
 
コミックでは『人造人間キカイダー』、『デビルマン』そして『ザ・ムーン』などが衝撃のラストというものがありましたけれども、特撮ヒーローのドラマではこんな切ないものは『ウルトラセブン』ぐらいしか記憶がありません。
 
それほど『仮面ライダークウガ』は私の中では、大きな作品です。こんな機会ですので一回通してみるのも良いでしょう。