音楽の話♫Vol.22 "HOT RATS" FRANK ZAPPA
先日、ネットサーフィンをしていたら、巨匠 Frank Zappa の "HOT RATS"の50周年記念盤が出ていたことを知ってしまった。
私は経済的にこんな高級商品買えませんし、このBOX SETを全部聞くのに、どれ程の時間が必要なのであろうか?
他のミュージシャンならBOX SET は何種類か持ってはいますけれど、そのほとんどはライブ盤のコンプリートとか、キャリアを総括するベスト盤です。BGMとして聞いているケースが多いけど、Frank Zappaのこの作品集をBGMにするほど強い精神力を持ち合わせている人はいないであろう。
しかし、わたしにとってFrank Zappa の "HOT RATS" はこれまで聴いてきたレコードで五指に入る作品である事には違いありません。
こんな6枚組セッション集の販売しているのを見つけるという、機会でもないと、巨人 Frank Zappaを紹介することはないでしょう。ということで、"Hot Rats" のノーマルなバージョンを紹介します。
まずは、Frank Zappa とは何者か?
一言で言えば、怪物です。
Music Magazine 増刊 "Music Guidebook "1994年によると1966年から1993年の約27年の活動期間にオリジナルアルバムだけでもゆうに40枚を超え、それも多くは2枚組、3枚組というものすごい創作意欲 。
音楽的内容はロックンロール、ブルース、R&B、ジャズさらには現代音楽まで包括しています。完全にぶっ飛んでいます。それら音楽をミックスしたのが、Frank Zappa の音楽です。
さらにはアナログ盤からCDに変換する際、サウンドをリマスターしたり、弱い部分を在籍メンバーでオーバーダビングするし、収録時間の関係でハサミを入れた部分を復活させるなど、熱狂的なファンを泥沼に引きずりこんだ。
Frank Zappa の創作意欲はとんでもないものがあります。常人にはついていけません。
そういう私は一時期、ZAPPAを追っかけていた時期がありましてけれど、早々に挫折いたしました。
根性なしと思うなら、やってみろよ。
Miles DavisとBob DylanとFrank Zappaを同時にコレクションしてみろ。お金いくらあっても足りないから(笑)
では、
稀代の名盤 "Hot Rats"を簡単ですけれど紹介します。
1968年発表 最高位イギリス6位
Side 1
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Peaches en Regalia - 3:37
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Willie the Pimp - 9:16
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Son of Mr. Green Genes - 8:58
Side 2
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Little Umbrellas - 3:04
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The Gumbo Variations - 16:55(オリジナルLPでは12:53)
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It Must Be a Camel - 5:15
全曲 Frank Zappaのオリジナル。M-2の”Willie the Pimp ”以外全曲インストメンタル。しかもこの曲のボーカルはなんと牛心船長こと異才、Captain Beefheart!Howlin' Wolf 直系のダミ声がよくマッチします。バイオリンのイントロから、ビーフハートのボーカル、そしてZappaのギターソロがたっぷりとフューチャーされています。
一曲づつ取り上げることはしませんが、特筆すべきはZappaのギターはもちろん、そのドラムのサインド処理。U2やPeter GabrielをプロデュースするStephen Lillywhite*1よりも早く、アフロビート、シンセドラム的なサウンド処置。あの跳ねるみたいで大変心地よい。Ian Underwoodのサックス、バイオリンの音も新鮮に写る。カントリーやジャズでバイオリンを使うことはあったが、ロックで使用する例はまだまだほとんどなかった頃。本格的に導入されるにはFamilyの登場まで待たなければならない。
というわけで、お勧めです。6枚組なんて買う必要はないと思いますけれど、通常盤はYou Tubeでも全曲聴くことができます。これを読んで少しでも気になった人がいたならば、是非とも怪人Frank Zappaの世界に一歩踏み込むきっかけにしてみてきださい。
その後、泥沼にハマっても私は一才責任は取りませんけれど(笑)