特撮の話 仮面ライダークウガ episode27『波紋』〜28『解明』
絶賛配信中!「仮面ライダークウガ」
コロナ禍のまま年を越しそうです。
2020年年末、毎日のようにコロナ感染患者数は最高数を更新。テレビのワイドショーでは「埼玉都民や千葉都民を東京の感染者に入れるな」、「アメリカの同じ検査のやり方なら、感染者数は減った」とか、わけがわかりません。にも関わらず、首相は”GO TOキャンペーン”を強行。都知事はフリップ芸にますます磨きをかけるだけにはおさまらずに、カルタ、「あいうえお」作文とR1グランプリ一直線。完全に責任放棄。日本人は不幸や!
我が家では、「今や、日本に生まれたことは悲劇だ」、「メルケル首相かアンダーン首相の子になりたい」と嘆いています。
このような時代だからこそ、今「仮面ライダークウガ」を見る意味があるのではないしょうか。
何度か繰り返していると思いますけれど、いつ自分に降りかかるかわからいコロナ感染と未確認生命体の恐怖は同じ。カフカの『ペスト』と同じ不条理に襲いかっかる恐怖。
今回のepisode27『波紋』・28『解明』でも脚本を担当するのは井上敏樹。メインライターの荒川稔久が遅筆、撮影現場はギリギリまでやっているということもあり、物語中盤には「仮面ライダーアギト」、「仮面ライダー555」でメインライターを務める井上敏樹を参加します。井上敏樹は荒川稔久と比べて主題を明確には示さない。さらに井上氏は「食う」でキャラクターの性格を表現します(笑)とはいえ、ここではでしゃばらずに、おとなしくしていますが、ちょっとね😀。今回の主題テーマを五代雄介に語らせずに、周りを語らせます。まあ、他の登場人物が動くのは全体を通して、それがアクセントになっているのは事実ですけれど💦。
未確認生命体の出現で、不安な日々を過ごす人々。また、コロナ禍と同じで経済的にもダメージを与えている。
おやっさんの「ポレポレ」は客足が遠のき、経営が苦しくなっている。それをサッらって言っている。
さらに、五代雄介の妹、みのりちゃんの同僚が妊娠。プールで彼女は「この子が生まれる頃には安心して外を歩けるようになっているのであろうか」が呟くのが、印象的。みのりちゃんは「人の人生は大変なことがたくさんあるけれど、生きるって素敵なことですよ」、「お母さんになってそのことを伝えてください」。
「う〜ん!ちょっとこれは失敗だよ井上さん!」みのりちゃんの方が年下という設定で、年上の先輩に伝えるのはイマイチ弱いよね。
橘さんが桜子さんをデートに誘うが、未確認生命体の事件で邪魔されるのはお約束ですけれど、ちょっと浮いている。
それに対して戦闘シーンを含めてストーリー部分は今回は冴えています。
「クウガ」演出技法はホラー。
今回の敵、ウミヘビ女の人間体とすれ違うおやっさん一行。事件現場に駆けつけるのを邪魔する、先代の亡霊。赤いマフラーでバイクに乗るバッタ男。ここでクウガと派手なバイクアクションを行うクウガ。派手なバイクアクションはクウガの見せ場の一つ。小屋を気持ちよく放火。やるなあ!井上さん!
一条薫のまえで挑戦するかのように「ゲーム」のメインテーマである「革命のエチュード」を挑戦のようにピアノで弾くウミヘビ女。
実にホラーだ!
私感ですけれど、「クウガ」に比べて「アギト」がちょっと不満なところは、「謎だ」だの、なんだの引っ張るわりにはちょっと何を伝えたいのか明確ではなかったこと。それに比べて、ストーリーは派手で見応えはむしろ色々縛っていた「クウガ」より見見応えがあった。今回も井上さんの長所と短所が両方出ましたね。
今回は青の金の力を紹介する回ですけれど、そこはアッサリしてますね。
今、改めて見ると合成とかちょっと稚拙ですね。
今回はこの程度でお開きにします。
井上敏樹氏は最近小説も執筆してるのね。リンク載せておきます。