音楽の話♫Vol.11 ”READY AN' WILLING” Whitesnake
本当は第3期Deep PurpleのDavid Coverdale、Glenn Hughesを取り上げパープルのサウンドの変化を取り上げるつもりでした。しかし、随分時間が過ぎてしまったので、仕切り直し。第3期のDeep Purpleのリードボーカリスト、現在でもヘッドライナーをつとめる、David Coverdale率いるWhitesnakeを取り上げます。
Whitesnakeはすごく長いキャリアを誇ります。
その時期、その時期にスタイル、顔を変えて時代にあったサウンドを追求しています。
代表作といえばアメリカ進出を成功させた『Whitesnake(WS1987、邦題:サーペンス・アルバス〈白蛇の紋章〉)』ということになるのでしょうけれど、あえてここでは伝統的なBritish Rock Bandだった80年代はじめ、個人的にはオリジナルホワイトスネイクとよんでいる時期を取り上げます。
取り上げる作品は1980年発表の”READY AN' WILLING"です。
この80年代はNew Wave Of Heavy Metal という新しいムーブメントが起こり、Iron Maiden やDef Leppardとかが登場します。AC/DCのアルバムがものすごく売れていたのはこの時期です。
そんな中、パープルの先輩方は苦しんでいた。NWOHMクラシック音楽に立脚した叙情的なメロディを持つ彼らの音楽はひと世代前の古い音楽になってしまった。Jon Lordのソロプロジェクトは失敗、Rainbowは売れ線だの、ポップになったとか、うるさ方に文句を言われていました。同様にDavid Coverdaleもセールス的にはやはり苦戦を強いられていたけれど、マイペースでソロプロジェクト、Whitesnakeを展開していく
Whitesnakeのメンバーは以下の通り
David Coverdale Vocal
Micky Moody guitar slide guitar
Bernie Marsden guitar
Neil Murray bass
Ian Paice drums
Jon Lord keyboards
この頃のWhitesnakeはベテランのミュージシャン、David Coverdaleのボーカルを中心にBritish RockらしいR&Bに根ざした歌を聞かせるハードロックを展開している。
最近は本人さえもさ忘れている可能性があるけれど、David CoverdaleはPaul Rogers、古くはEric Burdonといった同系列に捉えられるべきシンガー。黒人音楽に根ざした歌唱法は決して古臭くはならない。
収録曲は
-
Fool for Your Loving (David Coverdale, Micky Moody, Bernie Marsden)
-
Sweet Talker (D. Coverdale, B. Marsden)
-
Ready an' Willing (D. Coverdale, M. Moody, Neil Murray, Jon Lord, Ian Paice)
-
Carry Your Load (D. Coverdale)
-
Blindman (D. Coverdale)
-
Ain't Gonna Cry No More (D. Coverdale, M. Moody)
-
Love Man (D. Coverdale)
-
Black and Blue (D. Coverdale, M. Moody)
-
She's a Woman (D. Coverdale, B. Marsden)
2006年リマスター盤ボーナス・トラック
-
Love for Sale (D. Coverdale)
-
Ain't No Love in the Heart of the City (live) (Michael Price, Dan Walsh)
-
Love Hunter (Live) (D. Coverdale, M. Moody, B. Marsden)
-
Breakdown (Live) (D. Coverdale, M. Moody)
個人的にはシンガー、David Coverdaleの魅力と円熟したバンドアンサンブルが詰まった作品で、彼らの中ではベストだと断言しておすすめします。ヒット曲のM-1や、M-6もいいけれどM-4、ソロアルバムからの再録のM-5は秀逸のでき。昔のBritishRockのシンガーはこういったの歌うと本当にうまい。また、Micky Moodyのスライドギターもよく歌っている。個人的なファンであるNeil Murray の太いベースラインもセンスのいいフレイズを作っている。
これ以降、徐々にアメリカのマーケットを意識したサウンドプロダクトを展開。こんなアルバムを本人も忘れていたかもしれないけれど、いいバンドでした。最近のWhitesnakeとは別物と思って今も楽しみ、この時期は他のバンドと思って楽しみたい。自分で取り上げて置いて、そんなことを考えた一枚です。おすすめします。