特撮の話Vol.1 仮面ライダークウガ①
2020年で『仮面ライダークウガ』の放送が開始されてちょうど20年。
それを記念して東映特撮チャンネルで毎週二話『仮面ライダークウガ』が更新されています。平成仮面ライダーシリーズでは『クウガ』が一番ですね。(どうせ『響鬼』までしか見てませんけれど)
せっかくなので、ここでは『仮面ライダークウガ マテリアルブック』を参考にしながら、作品を振り返って行きたいと思います。
episode15話『装甲』、16『信条』までアップされました。
次の総集編を挟んで新しい展開に進むので、ここでとりあえずまとめたいと思います。
これまでの流れを簡単にまとめると
- episode1「復活」・2「変身」 物語のプロローグ 五代雄介が「みんなの笑顔を守るため」クウガとして戦う決意をする
- episode3「東京」・4「疾走」 未確認生命体の上京。五代、一条がバディを結成
- episode5「距離」~10「熾烈」 各フォームの登場および説明、協力者たちの紹介
- episode 11「約束」〜12「恩師」 五代雄介の掘り下げ、必殺技の完成
- episode 13「不審」~16「信条」 一条薫の掘り下げ、ゴウラム登場
ちゃんとテレビの前の良い子と大きいお友達がパニックにならないように順序だって、話を展開している。キッチリと伝えたいことはしっかりとセリフで伝える。今回、再放送を見て、『仮面ライダークウガ』は本当に良質な子供番組だと改めて思いました。
これは脚本の荒川稔久氏の手腕が大きいと思われる。氏はウディぺキアによると、『帰ってきたウルトラマン』の大ファンだということとで(わかります)クウガも主人公の成長物語に仕上がっています。
『仮面ライダークウガ』の魅力だけれど、私は以下の4点だと思っています。
①ホラーテイスト だいたい『仮面ライダー』は元々、ホラーなのです。敵のグロンギは一体何者なのか、同様にクウガは何者なのか、劇中では一切明かされない。しかし、未確認生命体は実際の生活の中に現れる。しかもグロンギは無差別に殺人をゲームとして楽しむ。これって突然隣人者が殺人者になるかもしれない恐怖と同じです。このホラーテイストがなんともいえず、不気味であり、ゾクゾクします。
②昭和シリーズのレスペクト episode1クモ男、episode2コウモリ男。もう説明不要。
第5話ではハイスピードのバイクの上で五代は変身します。
③五代と一条の友情とビルドゥングスロマーン
『仮面ライダークウガ』は子供番組であり、エンターティメントです。断じてオタク番組ではありません。二人を中心にヒロインの桜子さんも含め、劇中で成長していきます。ここが重要なところです。何度でも繰り返します。子供番組ですので、テーマとなる道徳的な提言はしっかりとセリフとして発言しないと良い子は分かりません。しかも会話は基本二人で行われます。非常にわかりやすい。
五代雄介の戦う理由を「みんなの笑顔を守るため」と宣言します。わかりやすい!しかし第二テーマの「暴力に対抗するには暴力しかないのか」は暗示だけです。まあ、この辺りが「クウガは大人のドラマ」いう大きなお友達に言わせるのでしょう。
④毎回飛び出す新規軸と派手なアクション CGと特撮の融合。特に、第二話の教会を燃やすシーンは圧巻。円谷英二監督以来燃えるものは燃やせ!基本です。クウガのバイクアクションも見どころです。
さて、好きなシーンで締めたいと思います。
なんと言ってもepisode2『変身』五代雄介の絶叫。
「刑事さん!俺戦います!こんな奴らのためにこれ以上誰かの涙をみんなで笑顔でいてもらいから!だから見てください!俺の変身!」と叫ぶ!ここがすごくいい!五代が何故戦うのかをしっかり宣言します。クモ男が乱入して苦戦するクウガを射撃で助ける一条。「こういう風に二人は戦います」という骨格がepisode2のBパートで明確にされ、詰まっています。
「子供が見るもの」と「子供騙し」は違います。子供が見る『仮面ライダークウガ』はこうして「子供が見てもわかる」作りになっています。
次はepisode4『疾走』のラストシーン。激戦を制したクウガがサムズアップを一条薫にした時、照れ臭そうに後ろ向きにサムズアップを返す一条。一条薫が五代雄介を認め、二人の冒険がはじまりを示唆するシーンです。
仮面ライダークウガ愛はまだまだ続きます。また次回!
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