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朝の連続小説 『エール』 第19週 『鐘よ響け』

令和2年度上期 朝の連続小説『エール』今期は本当に見応えがあります。
 
今回のテーマは「復活」。古関裕而の代表作『長崎の鐘』が完成するまでの物語。作家古山祐一が自分の犯した罪に対して受けた創作ができない罰をどう克服するか。合わせて、吟の夫、智彦が軍人のプライドを捨てる過程が描かれる。
 
以前、Twitterでの会話で「朝ドラの反戦表現は被害者のとしての反戦表現」という人がいました。その通りだと思います。主演が女の子だと言うところもあり、疎開で逃げ回ったり、家が焼かれたり。さらには戦災孤児のネタもありました。
 
それに対して、今回は加害者としての視線が描かれている
 
「元気を与える」、「感動をありがとう」。私はこの言葉が嫌いです。これって、戦時中の発想?祐一は「調子に乗ってました」、「歌で若者を何人も戦場に送ってしまった」のセリフは祐一の罪であり、曲がかけなくなったのは罰である。
 
戦争の責任をすべて背負うおつもりか?」という放送作家、池田の言葉に、鋭い眼光で自問する裕一。さらに池田が置いていく『とんがり帽子』の歌詞に、裕一は心を動かされる。
 
ついに祐一の心は動く。これからは戦争被害で苦しむ人たちにエールを送るのが与えれた才能を人々に還元する使命だと感じたのだろう。ここでの祐一と音の演技がすごい。
 
戦場に見送って帰って来なかった人たちの顔がフラッシュバックしながら、譜面と格闘する姿は鬼気迫るものがある。五線譜をひきちぎり、何度もそこから逃げようとする祐一を「もう自分を許してあげて」と励ますと言うより、叱咤する音。脚本、演出、演技どれがひとつでも欠けたらなりたたないシーンである。
朝、力なく、余白がやけに多い譜面に書かれた音符。それを歌うと言うより、読む音。無言で、安堵の表情を浮かべ身体を音に預ける祐一。今回のクライマックスの一つとなるであろう。
 
そして、『長崎の鐘』。戦争の恐怖が蘇ることを恐怖する音。それの恐怖に立ち向かう決意をする祐一。どん底まで落ちてはじめて真の希望が生まれる。
 
「あなたは戦争中に人々を応援しとった。今度は、希望を持って頑張る人にエールを送ってくれんですか。」永田医師の言葉が胸を貫く。
 
完成した曲はマイナーからはじまり、サビの部分はメジャーに転調する。まさに希望を歌い上げる作品に仕上がっています。
 
本当に重いドラマですが、ここで抜くかのようなコミカルな演出がいい意味で一服になっている。良いドラマです。
 

 

古関裕而 昭和日本の歌~長崎の鐘~

古関裕而 昭和日本の歌~長崎の鐘~